宗安寺きのこセンターへ
有資格者で作る勉強会、四国薬膳研究会では、月に一度季節や体質に応じたレシピの検討やイベントなどを行っています。今後の活動のひとつとして生産者さんの見学や作業体験ができたらと考えています。その準備として今年度から四国薬膳研究会の運営部で視察を兼ねた見学を行なっていくことになりました。早速第1回目として9/4に「宗安寺きのこセンター」に見学に伺いました!
薬膳でよく使われる木耳(キクラゲ)の栽培がどのようにされているのか興味津々でした。
まず間違えてはいけないのは、薬膳で使われる白い乾燥した木耳は最近高知で流通されるようになった生の白いキクラゲとは違う種類である、ということです!
薬膳で使われる乾燥の木耳は、銀耳といって昔は、銀と同じくらい高価な生薬でした。また、生の状態では、人の耳たぶと同じような柔らかさと弾力を持つため、銀耳と名付けられたと言われているそうです。世界三大美女の一人、楊貴妃も好んで食べていたと言われ、潤いを保ち、お肌や喉を乾燥から守る食べ物です。
薬膳の基本となる中医学では、肺の状態がよければ、身体に潤いを保つことができるため肌の状態が良くなると言われています。銀耳は、喉や肺を乾燥から守り、身体に潤いを与える働きがあるので、美肌や咳止めに効果が期待できます。乾燥が気になる秋の季節には是非使いたいですね。
そのような銀耳の親戚(?!)とも言える白木耳、これは通常流通されているあらげ木耳(茶色)から開発された白色(アルビノ種)だそうです。どちらもビタミンD、鉄分、食物繊維が豊富ですが、白色の方が食物繊維の量が多いとか。
温度や湿度の管理に気を使い、真っ白に育てるのにも細心の注意をはらいながら(真っ白が好まれるらしい)栽培するそうです。宗安寺きのこセンターでは、まるで子供を育てるように丁寧に丁寧に手をかけていてたっぷりの愛情が感じられました。
ゆっくり見学させていただいた後、お役が終わった白色木耳の菌床を子供の学習用に分けていただきました!湿度が多いところが良いようなのでお風呂に置きましたがなかなか育てるのは難しそうです…。
商品としての規格から残念ながら外されてしまった木耳もおまけとして分けていただき、早速運営部で試作しました。
左上から時計回りに、
●間引き椎茸の炊き込みご飯
→食べ方を教えて頂き、味付けは塩のみです
●茶木耳の「ゆの酢」和え
→これは先月イベントでご馳走になったものですが、後日詳しく紹介します
※「ゆの酢」とは柚子を絞った果汁で、高知では寿司酢や酢の物など、米酢の代わりとして使う文化があります
●2色木耳のラッキョウ酢和え
→ラッキョウ酢、味噌、宗田節の出汁、オリーブオイル入りで奥深い味わいに
●梅酢の酢の物
→梅肉で和えようとしたものの、ふと思いついて、たっぷりあった梅酢をかけたら彩綺麗な酢の物になりました
こんな具合に酢のものづくしになりました。
暦では秋ですがまだまだ暑さが続いているのでさっぱりとした酢の物が美味しいですね。
森さんご夫妻には、きのこや木耳の説明を始め、食べ方なども教えていただき、とても勉強になりました。
店頭に並んだ商品がどのような思いを込めて作られたのか知ることで食材への想いが膨らみ、どうやって美味しく食べようか?とあれこれ試してみたくなります。今後も食べ方のアイデアをみんなであれこれ考えてみたいと思います!
森さんご夫妻、スタッフ皆様、
お忙しいところ本当にありがとうございましたm(__)m
帰り道、おいしいランチを食べて帰りました。
第1回目の視察は大成功でした(^^)
念のため薬膳としての木耳と銀耳の性質について紹介します。少し言い回しが難しいかもしれませんが、参考になさってください。
○木耳 (平/甘 肺脾大腸肝)
効能→補気、養血、潤肺、止咳、止血
適応→疲労倦怠感、産後の虚弱、出血、肥満、高血圧、免疫力低下
○銀耳 (平/甘淡 肺胃腎)
効能→滋陰、潤肺、益胃、生津
適応→陰虚証、口渇、消渇、咳嗽、皮膚乾燥、肌荒れ
薬膳食典「食物性味表」より